気の合わない家族はあきらめていい
本来ならば、誰よりも身近で距離感が近いのが家族です。しかし、実の家族と気が合わないと感じることは、それほどめずらしいことではありません。
家族と折り合いがよくないことで、周りからいろいろ言われるかもしれませんが、ときにはあきらめも必要です。無理に関係を改善しようとすると、自分が苦しむことになります。
友人や恋人であれば簡単に距離を置けますが、家族となると完全に関係を断つのは難しいです。しかし、自分の気持ちの上であきらめ、ある程度の距離を保つのは悪いことではありません。周りの意見は真に受けすぎずに上手に受け流し、家族とほどよい距離感を保ちましょう。
「家族と気が合わない」と感じている人の特徴
一緒に過ごしてきた家族だとしても、気が合わないこともあります。気が合わないと感じるのには、理由があるはずです。「家族と気が合わない」「家族が嫌い」と感じる人の心理状態や特徴には、以下の4つが考えられます。
- 家族との接し方がわからない
- 家族との関係にトラウマを抱えている
- 親の過干渉にストレスを感じている
- 自立心が強い
特徴を知れば、対策が見えてくるかもしれません。ひとつずつ見ていきましょう。
家族との接し方がわからない
家族との距離感がわからず、どのように接したらよいのかわからないというケースがあります。小さい頃は素直に伝えられた気持ちも、年齢を重ねることで恥ずかしさや照れくささを感じるようになり、そのままこじらせているのが原因です。
何を話したらよいのか、どのように伝えればよいのかがわからず、コミュニケーションの取り方に戸惑ってしまいます。とくに反抗期や思春期には、親とどう接してよいかわからない場合が多いようです。
承認欲求とともに反発心が生じるため、心のバランスをうまく保てない心理状態といえるでしょう。うまく立ち回れず、上手にコミュニケーションを取れない自分にいらだち、「嫌い」だという気持ちに逃げる傾向があるようです。
家族との関係にトラウマを抱えている
家族との関係で、過去のできごとがトラウマになっていることでストレスを感じているケースが挙げられます。トラウマの原因はさまざまですが、過去に親から暴力を受けたり、暴言を吐かれたりした経験がある人が多いようです。家族から愛情を注がれた記憶がなく、家庭に居場所がないと感じてきた場合も原因になるでしょう。
DVやモラハラは、家族間でも起こります。家族からつらい思いをさせられた経験がある人にとって、家族を愛する気持ちは生まれにくいかもしれません。同じような経験を繰り返したくない気持ちが強く、家族との関わりを避ける傾向です。
親や兄弟姉妹でも、平等に愛情を注ぐ人ばかりではありません。あまり家族から気にかけてもらえなかった人は、家庭内で疎外感をおぼえるでしょう。
過去のつらい記憶が鮮明に残りPTSDに陥っていることで、何度もフラッシュバックし苦しんでいるのかもしれません。
「まだ結婚しないの?」親から子へのハラスメントをかわす方法
毒親だと結婚できない?婚活が急に難しくなる理由5つ
親の過干渉にストレスを感じている
家族が嫌いな原因のひとつに、親が過保護・過干渉だというケースがあります。子どもへの愛情の強さから、親は過保護や過干渉になりがちです。しかし、子どもにとっては束縛やプレッシャーがストレスになってしまいます。
帰宅時間や生活態度などへの干渉は教育上必要ですが、年齢に応じて対応や距離感を変えることが必要です。いつまでも小さい子どものように過剰に干渉し、過保護であることによって子どもは窮屈さを感じるでしょう。家族に干渉されず、自由になりたいという思いから、家族を嫌う人も多いようです。
結婚を認めてくれない両親との絶縁を考えている...反対の理由は?
結婚できないなんてイヤ!年の差婚を反対する両親を説得する方法
結婚したくないって言ってるのに親がうるさい!ベストな対応とは
自立心が強い
自立心が強い人にも、家族を嫌う傾向があります。子どもの頃に伝えたいことやアピールしたいことを家族に理解してもらえず、承認欲求が満たされなかったことが原因のひとつです。家族だけでなく、学校の先生などに気づいてもらえず認めてもらえない経験から、社会的欲求が満たされない場合もあります。
自分の主張を理解してもらえなかった経験から、親の手を借りずに大人として自立したい気持ちが生まれるものの、力不足で自立できない自分に自己嫌悪を抱いていることが多いです。
思いどおりにいかない現実に対する不満を自分で処理できず、「親が自分の主張を聞いてくれないため自立できない」などと、責任転嫁しているケースもあります。
「家族と気が合わない」と感じる理由
次に、「家族と気が合わない」と感じる理由を紐解いていきましょう。反抗期に一時的に親を嫌うことがよくありますが、大人になってから親と折り合いが悪くなる人も多いです。よくある理由には、以下の3つがあります。
- 価値観が合わない
- 金銭面でトラブルが生じた
- 感情的な態度に疲れる
ひとつずつ詳しく理由を探っていきましょう。
価値観が合わない
社会に出て自分の世界が広がったことで家族との価値観のズレが大きくなったと感じるもの、「家族と気が合わない」と感じる原因に挙げられます。
子どもは親など身近な大人の言うことは正しいと思っており、疑うことがありません。しかし、大人になりさまざまな価値観に触れていくなかで、家族の自分に対する接し方や育て方に疑問を持つことがあります。
女性の場合は、実の母親と結婚観や育児についての価値観のズレを感じ、気が合わないと感じることも多いようです。親の言うとおりに生きてきた人でも、大人になって親の価値観のズレを認識し、それでも価値観を押しつける家族を嫌うようになる場合があります。
同棲に親が反対…理由&許可がでるための説得方法
親が職業で結婚を反対!その理由とは?反対されたときの対処法
金銭面でトラブルが生じた
家族と金銭面で何らかのトラブルがあった場合に、気が合わないと感じるケースもあるようです。たとえば、遺産相続で兄弟姉妹ともめることは少なくありません。血のつながった兄弟姉妹でも、大人になってからの金銭トラブルをきっかけに疎遠になることもあるでしょう。
親との金銭トラブルが原因で、「家族と気が合わない」と感じる人もいます。社会人として働きはじめてから、親がお金を無心してくるケースが少なくありません。これまで育てたことに恩をきせ、何かとお金をせびるようになるケースも挙げられます。
金銭面でのトラブルでお金を失った場合には、損をした気分になりがちです。理不尽さにうんざりしてしまったり、ストレスを感じたりすることから家族を嫌うようになります。
感情的な態度に疲れる
家族のヒステリックな態度や自分勝手さにうんざりし、「家族と気が合わない」と感じる人もいます。気に入らないことがあると暴言を吐いたり、自分の都合や気分で予定や意見を変えたり……、家族のヒステリックな態度や自己中心的な行動を客観的に見て嫌悪感を抱くケースです。
怒鳴ったり暴言を吐いたりと相手がヒステリックな態度では、まともに話ができません。自己中心的で自分の都合や意見を押しつけるような家族とは、コミュニケーションが取りづらいでしょう。
家族をひとりの人間として見たときに、尊敬できる部分がなく、家族とまともに付き合っても意味がないという結論に達します。
上京を親に反対された!対処法と親の心理
気の合わない親や兄妹をあきらめるための方法
気の合わない家族でも、完全に関係性を断ち切ることはできません。「できることなら、うまく付き合っていきたい」と考える人も多いでしょう。気の合わない親や兄妹をあきらめるには、以下の方法が考えられます。
- 家族と一定の距離感を保つ
- 家族以外の人との関わりを大切にする
- 家族の存在を素直に受け入れる
気が合わなくても対処方法がわかれば、今よりもよい関係を築けるかもしれません。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
親に結婚を急かされるが結婚したくない…どうすればいい?
家族と一定の距離感を保つ
ストレスを遠ざけるには、家族との距離感を広げるのがよいでしょう。無理に距離を縮めようと努力するのをあきらめることで、ストレスが少なくなります。
実家暮らしなら、一人暮らしを検討しましょう。家族との距離が近いからこそ、お互いに行動や発言が気になってしまいます。家族と離れ、顔を合わせる機会を減らすのが効果的です。
一人暮らしをすることで、生活の苦労を知ることにもなります。一人暮らしの大変さを知ったとき、これまで家事をしてくれていた家族のありがたみに気づけるでしょう。
家族と離れ、一定の距離感を保つことで、お互いの接し方も変わるかもしれません。気が合わないと思っていた家族との関係が改善される可能性もあります。
結婚したくないと思うのは毒親のせい!?結婚して幸せになる方法は?
家族以外の人との関わりを大切にする
気の合わない家族をあきらめるためにすぐできる方法のひとつは、家族以外の人との関わりを大切にすることです。友人や恋人と過ごす時間を増やし、家族との関わりを遠ざけてみましょう。
過去のトラウマや気の合わない家族に関するストレスを、友人や恋人に打ち明けてみるのもひとつの手段です。愚痴を聞いてもらうだけでもスッキリするかもしれませんし、他人に話すことで自分の気持ちが整理できるかもしれません。なるべく家族から離れて、自分の生活を楽しんでみましょう。
家族の存在を素直に受け入れる
自分の育った環境にコンプレックスや不満を感じているなら、家族の存在をありのままに受け入れてみるのもひとつの方法です。家族のあり方や愛情表現は、家族によって違います。まずは、ほかの家と比較するのをやめてみましょう。
嫌な思い出は、人の心に強く残ります。子どもの頃のつらい体験や家族に対する不満が理由で家族と気が合わないと感じているなら、「他人は他人」と割り切って、よその家と比べるのをやめるのが効果的です。
ネガティブな部分に目を向けるのではなく、家族のよい面や家族への感謝を意識するようにしましょう。気持ちを切り替えることで、家族との関係がよい方向へ向かうかもしれません。
夫の家族と気が合わないときの対処法
結婚をしている人のなかには、夫の家族と気が合わないと感じる人も多いようです。夫とは気が合って結婚したけれど、家族とも気が合うとは限らないでしょう。夫の家族と気が合わないときは、以下の方法を試してみるのをおすすめします。
- 直接会う回数を減らす
- 夫に間に入ってもらう
- スルースキルを身につける
気が合わないと感じても、夫の家族である以上付き合いは必要です。対処法がわかれば、上手に付き合えるかもしれませんよ。
直接会う回数を減らす
夫の家族と気が合わないと感じながら頻繁に会うのは、ストレスです。直接会う回数を減らし、適度な距離感を保ってみましょう。
夫の家族が近くに住んでいる場合、何かと会う機会が多くなる傾向です。とくに子どもがいる場合には、夫の家族に面倒を見てもらうなど、お世話になる機会も多いでしょう。かわいい孫でも、子どもの面倒を見るのは大変です。甘えすぎず、感謝の気持ちを上手に伝えながら会う機会を減らしてみましょう。
夫の家族が離れた場所に住んでいる場合には、直接会う機会は必然的に減ります。しかし、孫にも息子にも会えないことで逆に夫の家族側、とくにお姑さんの不満がつのるかもしれません。電話やメールなどでの連絡を怠らず、「頻繁には会えないけど気にかけている」姿勢を見せておくことが大切です。
イヤイヤ会うよりも、適度な距離感を保つほうが良好な関係を維持しやすいでしょう。誕生日などには贈り物をするなど、気遣いを忘れずに距離を保つのがポイントです。
夫に間に入ってもらう
夫の家族と気が合わず、以前よりも関係性が悪化していると感じたら、夫に理解してもらうことが大切です。あなたの気持ちを伝え、味方になってもらいましょう。
夫の家族に不満があっても、嫁からは直接言いにくいこともあります。不満は夫から夫の家族に伝えてもらうようにすると、角が立ちません。
夫の家族、とくに両親にとって息子はいつまでもかわいく心配な存在です。孫はもちろん、息子の顔を見たくてアポなしで頻繁に来ることがあるかもしれません。突然来られるのは、誰にとっても迷惑ですよね。夫から事前に連絡するよう伝えてもらうなど、コミュニケーションを助けてもらいましょう。
夫の家族と円満に付き合うためには、夫の存在が重要です。夫には、妻の味方でいてもらうことが大切だということを理解してもらいましょう。
スルースキルを身につける
顔を合わせるたびに夫の家族に嫌味や小言を言われることが原因で、夫の家族と気が合わないと感じる人も多いです。毎度毎度言われることを受け止めるのをやめ、スルースキルを身につけると楽になります。
何を言われても気にせず、「そうですか」と上手に受け流しましょう。心を動かさず、適当にあいづちを打ったり、あいまいな返事したりすることでストレスが軽減されます。
気の合わない家族にイライラ!ストレス発散の方法
さまざまな方法を試しても、どうしても気の合わない家族にイライラしてしまうことがありますよね。ここでは、おすすめのストレス発散法を2つ紹介します。
家族を変えることは難しいため、自分に合った方法でストレスを発散しましょう。
趣味に没頭する
イライラを解消するには、気の合わない家族から意識をそらすことが大切です。趣味など、自分の好きなことをしてみましょう。好きなことに没頭している間は、気の合わない家族のことを忘れられ、余計なことを考えずにすみます。
自分の過去や家庭環境に原因がある場合も同様です。今から過去や環境を変えられないため、好きなことをして意識を家族から切り離しましょう。
スポーツにチャレンジするのもおすすめです。心身ともにリフレッシュできるのはもちろん、運動不足を解消にもなります。いきなりハードなスポーツにチャレンジするのに抵抗があるなら、ウォーキングからはじめてもよいでしょう。外に出ることで、気分転換にもなりますよ。
好きな音楽を聴いたり、カラオケで思い切り声を出したりするのもおすすめです。趣味がなければ、新しい趣味を探してみるのもよいでしょう。イライラした気持ちを手放し、ストレスを発散できます。
第三者に悩みを打ち明ける
イライラしたときには、誰かに話を聞いてもらうのも効果的です。過去のトラウマやストレスをひとりで抱え込んでいると、イライラがどんどん積もっていきます。友人や恋人などに悩みを打ち明けたり、愚痴を聞いてもらったりすることで、気持ちが軽くなるでしょう。
単純に話すことでスッキリするだけでなく、第三者から客観的な意見をもらえるかもしれません。あなたをよく知る友人であれば、あなたを否定するようなこともないでしょう。信頼している人からのアドバイスは、心強く感じますよ。
今まで気の合わない家族に対してイライラしたり、ストレスをひとりで抱えていたりしたのなら、思い切って誰かに話してみましょう。